ジョルジュ・ルオー

ジョルジュ・ルオーは、1871年パリ・コミューンの動乱の最中にパリ・ヴィレット街に生まれ、14歳でステンドグラス職人に弟子入りしました。その後装飾美術の夜間学校、さらに1890年パリのエコール・デ・ボザールに入学し、翌年にはギュスターヴ・モローに学びました。モローが他界した1898年頃から娼婦や道化師を描くようになり、さらには裁判官や法廷戓は風景などをテーマにして個性を発揮し始め、やがてカトリック信者としてキリスト教的主題にも及んで精神性を深めました。ルオーは時代によって水彩、版画、油彩等様々な作品を残していますが、晩年は《聖書風景》等、ルオーの作品として広く親しまれている厚塗りで独特の色彩の作品を多く残しました。このルオーの厚塗りは、完成後も筆を入れ続け、なかなか作品を手放さなかった為に何年間も、時には10年もの間塗り重ねられたものです。1958年 87歳で生涯を閉じ、パリのサン・ジェルマン・デ・プレ教会にて国葬となりました。