蓜島 正雄
1949年東京生まれ、創形美術学校を卒業後渡仏、74年パリ国立美術学校に入学。現在のベルギーを中心に14世紀から栄えたフランドル絵画の影響を受け、やがて緻密な構図と描写で展開する蓜島独自の世界を確立した。日本人的な淡い色彩で描かれた作品には日仏の文化の融合が色濃く反映されている。パリの美しい景観を伝統的な油彩画の技法を用いながら、その代表的な建造物であるオペラ座、パンテオン、そして何気ないパリの情景を、高所から臨む目線で描き続ける。建物は勿論、日本とは異なるパリの光と空気を日本人ならではの繊細な感性で吸収し、キャンバスには光のヴェールに包まれたパリの街をリアリズムと評される如く見事に表現している。