ジル・ゴリチ
1939年、ポール・アイズピリの長男としてパリに生まれる。1955年に若干17歳にしてモルヴァル画廊にて個展を開き、翌年サロン・ドートンヌ会員となる。1962年には青年絵画展に入選し、パリ市の買上げを受ける。新進気鋭の画家として高い評価を獲得し、その後1965年より国際形象展、サロン・ドートンヌにも度々出品し、1982年以降は、パリ、東京、シカゴ、モナコ、ニューヨークなど世界各地で個展を開く。
その熟達した制作活動から「半具象」という新たな画境を切り拓いた。本展覧会出品作は従来の明るく鮮やかな色彩からさらに深みを増した赤や青へと基調が移り、リズミカルでダイナミックな筆致に重厚さが加わっている。自らの内面を解放し体現することで具象と抽象的要素を見事に融合し、円熟味を増した感性溢れる表現となっている。2019年没