柞磨 祥子
1991年広島県生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻(漆工)修了。日本人は古来より自然を慈しみながら「闇」の中に美を見いだす感性を培ってきた。この美意識と漆の黒の深みに魅せられた柞磨は、液体のように自由な形態と闇に溶け合う「陰翳」の融和を現代彫刻で表現している。重要文化財である狩野派の襖絵がある部屋に作品を展示した際には、仄暗さの中で漆の光沢の魅力と存在感がより一層増すことを感じさせていた。最近では、伊万里や景徳鎮の磁器と漆を調和させ、日本と東アジアの古き良きものを自らの作風に取り込んだ作品も手掛けている。