生誕100年 ポール・アイズピリ

この度、ギャルリーためなが大阪では、1969年の創業当時より半世紀に亘り紹介してまいりました ポール・アイズピリ（1919～2016）の生誕100年を記念し、『生誕100年 ポール・アイズピリ展』を9月26日（木）～ 10月27日（日）まで開催いたします。
本展では初期1950年代から晩年2010年代の代表作品3０点を一堂に展観。
ポール・アイズピリは20世紀初頭のパリにおいて、近代絵画史の中で最も重要な時期に生き、ベルエポックを創った数多の偉大な立役者たち、藤田嗣治をはじめ、モディリアーニ、スーチン、ヴァン・ドンゲン、ユトリロなど個性豊かな芸術家に出会います。中でもマティスとデュフィに多くの刺激を受けたアイズピリは、デッサンを単純化する技法で瑞々しく華やかな画風を確立し、色彩画家として才能を開花させていきました。初期1950年代の作品はカラリストの素質を見せながらもメランコリックであり、どこか懐かしさを感じさせられます。1960～70年代にかけては徐々に対象物を色でとらえ単純化されてゆき、1980年代に入ると濃密な色彩と単純で力強い形象に満ちた画風を確立します。画家は円熟を迎えても新たな境地を探求すべく、2000年代に入ると色彩の華やぎはそのままに画面は明るさと軽やかさが増し、もはや何ものにもとらわれない自由な遊び心に満ちた晩年のスタイルを開花させました。
是非この機会に、画風の変遷をたどり、幸福と愛に満ちた作品の数々をお楽しみいただければ幸いです。