╶ 巴里、光のヴェールに包まれて╶ 蓜島 正雄
KYOTO
開催概要
ギャルリーためなが京都では本年9月10日より10月10日までパリ在住の蓜島正雄の初個展を開催致します。日本人ならではの感性が描く光のヴェールを纏うパリの風景画をご紹介します。
蓜島は1949年東京に生まれ、創形美術学校を卒業後渡仏し、74年パリ国立美術学校に入学。現在のベルギーを中心に14世紀から栄えたフランドル絵画の影響を受け、やがて緻密な構図と描写で展開する蓜島独自の世界を確立していきます。日本人的な淡い色彩で描かれた作品には日仏の文化の融合が色濃く反映されています。
蓜島が主に描くテーマはパリの美しい景観です。十九世紀にナポレオン三世の命によって構成されたオスマニアン建築物を基盤とするパリは、芸術の街として国内外のアーティストを魅了し、今日まで実に多くの作品のモティーフやテーマとして描かれてまいりました。蓜島も伝統的な油彩画の技法を用いながら、その代表的な建造物であるオペラ座、パンテオン、そして何気ないパリの情景を、高所から臨む目線で描き続けています。蓜島は、建物は勿論のこと、日本とは異なるパリの光と空気を日本人ならではの繊細な感性で吸収し、キャンバスには光のヴェールに包まれたパリの街をリアリズムと評される如く見事に表現しています。
パリを俯瞰した景観の多くは、蓜島自身のアトリエからの眺望です。パリ北東に位置するベルヴィルのアトリエに始まり、その後住居を移してもアトリエは決まってアパルトマンの最上階に構え、眼下に広がるパリの屋根と空をテーマに数多くの作品を制作しております。
本展では、「ベルヴィルからの眺め」を含む20余点をご紹介します。画家の視点が描くパリの情景をお楽しみ戴けたら幸いです。
会場情報
京都府京都市東山区上堀詰町265-7
開廊時間 全日 11:00 – 19:00